営業研修の効果を高める研修技法Ⅱ

戦略思考開発法

戦略思考開発法の特徴

  • 到達すべき目標が明確になり目標設定の仕方を学べる
  • 到達のために何が問題なのか、問題の把握方法を学べる
  • 情報収集の方法と分析の方法を学べる
  • 問題解決の本質を理解し、解決の鍵を見出せる
  • 仮説ー実践ー検証のサイクルが回せるようになる

戦略思考開発法の注意点

  • 戦略構築に必要な情報を整備しておくことが必要
  • データ分析に当たり統計や解析の知識・技術が必要
  • 研修と実際の業務の一体化およびフォローが必要

戦略思考開発法の解説

戦略思考開発法(Strategy Mind Development Method)には、さまざまな技法が開発されてい ます。しかし、これが決め手となるような技法があるわけではありません。ITの発達により、 以前に比べて、膨大なデータが入手でき、分析できるようになったことから、他の営業研修 技法に比較して、進歩が急速であり、古い手法が役立たなくなっているのです。

その中で、最近の傾向として、比較的、定着して用いられているのが、マトリクス分析です。 代表的なのは、ボストン・コンサルティング・グループが開発したPPM(Product Portfolio Management)と呼ばれるポートフォーリオ分析です。縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率を 取り、下記の図のように、自社の事業や製品をプロットとして、4つの象限に分けて、戦略を 立案しようとするものです。4つの象限とは、成長率も市場占有率も高い「スター(花形)」、 成長率は低いが占有率は高い「金のなる木」、成長率は高いが占有率は低い「問題児」、成長 率も占有率も低い「負け犬」となります。

PPMだけではなく、SWOT分析などもマトリクス分析の範疇に入ります。マトリクス分析は 分析手法の1つですが、戦略思考開発法では、このようなさまざまなフレームを使ったデータ分析手法を駆使して、 作業を積み重ねることにより、現状の問題点を抽出することで、、営業戦略を構築していく営業 研修技法です。

ロールプレイング

ロールプレイングの特徴

  • 実践に近い訓練なので臨場感のある研修ができる
  • 受講者の強み・弱みをひと目で分析できる
  • 受講者の満足度が高い営業研修技法である
  • 手軽に実施できるので、他の技法と組合わせやすい
  • 準備が少なくて、すぐに取り組める

ロールプレイングの注意点

  • 参加者が真剣に実施するように注意を促す
  • 評価をしっかりやらないとやりっぱなしで終わる
  • 時間がかかるので、スケジュールを綿密に立てる

ロールプレイングの解説

ロールプレイング(Role Playing Method)は、日本語で役割演技法ともいいます。アメリカの精神 医学者のJ・L・モレノが1923年にサイコドラマ(心理劇)と呼ぶ情緒的な問題を、行動に移さ せてその原因を分析する治療法を開発しましたが、これが企業の訓練技法に発展したものだとい われています。営業研修には不可欠で、訓練方法としては最も普及している技法です。通常、営業 研修では、売る側と買う側に分かれ、それぞれの役割りを実践します。

ロールプレイングの最も大きな狙いは、受講者の態度変容ですが、一般に次のような効果があると されています。①相手の立場を理解すること  ②相手の行動の理由を理解すること   ③自分の態度を変容できること  ④臨機応変な判断力が養えること  この ように、ロールプレイングは相手と直接関わることで、新たな発見を学ばせる研修技法です。

ロールプレイングは、一見すると簡単そうなのですが、単に社員同士でやらせると、馴れ合いに なったり、ふざけたりして、なかなか真剣な態度で実施できません。また、ロールプレイングでは 評価が極めて重要なのですが、仲間同士だと遠慮が働いて、遠まわしのコメントしか言えず、何の ために実施したかわからなくなります。

体験学習法

体験学習法の特徴

  • 実践の場での訓練なので問題点が明確にわかる
  • 受講者を通じて、企業全体の課題の切り口がわかる
  • 受講者が緊張感を持って実施できる
  • 受講者の強み・弱みをひと目で分析できる
  • 受講者の満足度が高い営業研修技法である

体験学習法の注意点

  • 受講者は普段通りの力を発揮できるようにリラックスさせる
  • 評価をしっかりやらないとやりっぱなしで終わる
  • 時間がかかるので、スケジュールを綿密に立てる

体験学習法の解説

体験学習法(Learning by Doing Method)とは、文字通り、教室で習ったことを、実践の場で 実際に体験することにより、知識や技術を修得させようという技法です。畳の上の水練という 言葉がありますが、実地で試してみることは、参加者にとって極めて貴重な体験となるはずです。 体験学習法には、本格的な営業活動の体験だけでなく、1000円ずつ持たせて、珍しいものを 買いに行かせる体験から、消防士訓練に体験入門させるなど、本来は幅広い内容を含んだ技法です。

営業研修では、同行営業が体験学習法の代表となります。これは、講師が実際に客先に同行して 営業社員を指導するという方法です。一緒に回ってあげると対象となった営業社員の満足度は高い のですが、実はこれだけで終わってしまっては、同行営業の効果は半分も発揮できません。 同行営業の本当の目的は何かというと、現場で把握した企業に共通の問題点を明確にして、全員 がその問題点を認識して、改善策を共有化することにあるのです。

したがって、同行営業で成果をあげて、実績を高めようとすると、少なくとも半年から1年くらい は、毎月1回、定期的に実施して、同行営業を実施したつど、他のメンバーも集めて、ミーティング を実施して、改善策の進捗度をチェックして、フィードバックしなければなりません。 アクティブ・コンサルティングでは、本当に成果のあがる同行営業をお手伝いしています。

プロジェクトメソッド

プロジェクトメソッドの特徴

  • 継続的に実施するので本質的な問題が解決できる
  • メンバーはコンサルタントと一体となって学べる
  • メンバーの本格的な能力開発が実現する
  • プロセスを学べるので、他の問題に応用がきく
  • プロジェクトは理想の研修形態ということができる

プロジェクトメソッドの注意点

  • 主役はメンバー、コンサルタントはアドバイザーである
  • 次のプロジェクトまでの課題を実践する
  • 経営者はプロジェクト結果を実践に移す支援をする

プロジェクトメソッドの解説

プロジェクトメソッド(Project Method)は、企業内にプロジェクトメンバーを集めて、企業の 実際の重要課題を解決していきます。その際に、プロジェクトメンバーの教育機能も同時に もたせようという目的で実施する営業研修技法が、プロジェクトメソッドと呼ばれています。 すなわち、実務と研修の中間に位置する、もしくは両者を兼ね備えた、最も効率がよくて、 効果的な営業研修ということができます。

プロジェクトメソッドで重要なことは、優先度と重要度が高い課題設定、課題にふさわしい メンバー選定、プロジェクトに対して会社が全面的に協力して情報提供すること、必ず経営者 のお墨付きをもらって、経営者は機会あるごとにバックアップ姿勢を示すことなどです。 これらの条件が揃っていないと、単なる集合研修で終わってしまい、本来のプロジェクト メソッドの成果を得ることはできません。また、プロジェクトで成果をあげるためには、 ワークショップと呼ばれる合宿研修も含めると、なお効果的です。

教育ゲーム

教育ゲームの特徴

  • 誰でも楽しく学ぶことができる
  • 小さな成功、失敗を体験できる
  • 思いがけない発見や驚きがある
  • チームワークの大切さが理解できる
  • 他の技法の気分転換に活用できる

教育ゲームの注意点

  • 目的や意義を伝えないと単なる遊びで終わる
  • 本当に教えたいことと結びつけるのが難しい
  • 本格的に実施すると準備に時間がかかる

教育ゲームの解説

教育ゲーム(Learning Game)とは、営業研修の中に、ゲーム的な要素を持ち込んで、研修内容 の理解を深めようとするものです。ゲームの中には、ビジネスゲームやマネジメントゲームも 含まれますが、これはかなり本格的な機材を必要とするために、教育ゲームというよりは、 ケースメソッドや戦略思考開発法などに分類したほうがよいと思います。ここでいう教育ゲーム とは、簡単に誰でも実施できて、気分転換になるようなゲームを意味しています。

例えば、営業研修技法としてよく活用される教育ゲームには、チームで伝言をしていくコミュニ ケーションゲームや、表現力を高めるためのジェスチャーゲームなどがあります。新入社員研修 などでは、もう少し大掛かりな宝探しゲームなどを取り入れる場合もあります。通常、ゲームは、 一人で実施するというよりも、チームごとに競わせて、チームワーク養成の目的で実施することが 多いです。

教育ゲームは単独で実施することはほとんどなく、長時間にわたる研修の気分転換や、重要なこと を講義する前に、新たな視点から意識づけする導入部分として活用されています。新入社員 などでは、固さをほぐして仲間と打ち解けさせるために、積極的に教育ゲームを取り入れる場合 が多いです。

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